神戸動植物環境専門学校

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野生生物ゼミ~里山実習~

2025.10.30

こんにちは!ワイルドチームです♪

先日、生命科学科・野生生物ゼミでは、里山をフィールドに生物調査実習を行いました。
今回のテーマは「里山に生きる多様な生物を、科学的手法で調べてみる」。
実際の調査技術を体験しながら、自然環境の成り立ちと生物同士の関わりを学ぶことを目的としています。

午前は、ピットフォールトラップ調査を実施しました。
ピットフォールトラップとは、地面を歩く昆虫やクモなどの小動物を採取するための方法で、
地表に埋めたカップに落ちた個体を回収します。
落ち葉が厚く湿った場所ではゴミムシやアリ類が多く、日当たりのよい草地ではコオロギやバッタ類が見られるなど、
環境条件の違いによって捕獲される種構成が変化することを、学生たちは実感していました。
単に「虫を採る」だけでなく、生息環境との関係を読み解く力が求められる調査です。

 

 

午後は、コドラート法による植生調査を行いました。
10m四方の枠(コドラート)を設置し、その中に出現する植物の種類、被度、草丈などを記録します。
険しい斜面の環境下で、「どの植物が優占しているのか」「どんな環境で生育しているのか」を比較しながらデータを整理しました。
植物の同定や被度の判定に苦戦する学生もいましたが、一つ一つ確認していく姿が印象的でした。

 

 

後半には、各自の関心に応じた自由テーマの生物調査も実施しました。
昆虫や、鳥の鳴き声、樹木や草本など、
学生それぞれが興味を持つ対象に向き合い、記録・撮影を行いました。
限られた時間の中でも、自分で課題を設定し、観察を通して答えを探るという研究のプロセスを体験する貴重な時間となりました。

 

 

今回の実習を通して、学生たちは「観察する力」「データを扱う力」「自然から学ぶ姿勢」を身につけつつあります。
野生生物ゼミでは、今後もこうしたフィールド実習を重ね、
調査技術の習得とともに“自然との対話力”を育んでいきます。